戦前、私も乗った事がありますが、沖縄には鉄道が走っていました。
其れは軽便(ケービン)鉄道で、那覇から与那原、嘉手納、糸満の三つの路線がありました。
先日、《軽便鉄道節》を初めて耳にし、その歌詞の面白さとメロディーの優しさにすっかり魂を奪われてしまっていますので、皆さんにご紹介します。
作詞者は徳田安周氏で、弟君の安清氏から此の唄をご紹介頂きました。
そこで更に一押し、安清氏に歌詞の特に面白い所、1番と2番の概要を纏めて頂きました。 |
1)軽便汽車乗てぃまーかいが
那覇ぬ市ぐゎ樽皮屋
買てぃ戻やい砂糖代
だてーん儲きてぃ家ふちゅん
シタイ!アフィ小ちばりよー
鳴ゆる汽笛ん アフィー!アフィー!
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2)軽便汽車乗てぃまーかいが
那覇いっぺーとぅんみぐるー
桃売あん小ぬ志情や
機関車やかんてぃーちかてぃー
さーれー三貫 まんぶりー
鳴ゆる汽笛ん アフィー!アフィー!
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1)けーびん汽車ぬてぃまーかいが
なーふぁぬまちぐゎぬたるがーやー
こーてぃむどぅやいさーたーでー
だてーんもうきてぃやーふちゅん
シタイ!アフィぐゎーちばりよー
なゆる汽笛ん アフィー!アフィー!
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2)けーびん汽車乗てぃまーかいが
なーふぁいっぺーとぅんみぐるー
むむういあんぐゎーぬしなさきや
機関車やかんてぃーちかてぃー
さーれーさんぐゎん まんぶりー
なゆる汽笛ん アフィー!アフィー!
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1)番は働く事に意欲を燃やしているアフィー(兄さん、あんちゃん)を応援する歌です。
那覇の市グヮーで空樽を買って来て、砂糖を運んで、儲けて、家を建てようと意気込んでいるアフィーを、汽笛がアフィーと応援しています。
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2)番は那覇の市グヮーで山桃を売り歩いている娘の、(彼を想う)情愛の激しさを歌っています。
その情愛は機関車の炎より激しく、(彼氏以外が)ちょっとでも触れようものなら、三貫も取るぞとわめくし、(彼を呼ぶ)アフィーの声もケービンの汽笛よりけたたましい。
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私達シニアにはお馴染みのフォーシスターズが歌っていますが、その歌唱力にまたメロメロにさせられています。
汽車が走る音が「シッタンガラガラ」で、標準語(?)のガッタンゴットンより優しい響きですよね。
汽笛が「アフィー」(兄さん)と聞こえるのは沖縄の優しい耳でしょうか?
下の写真、左は現在沖縄の大東精糖に保存されている軽便機関車で、右はフォーシスターズEPのジャケットです。
歌詞の3番には「登川」(ヌブチャ)と歌われている箇所があります。
皆さん、今度登川大先生に会う機会があったら《ヌブチャ ヌ セーグワー シンシー(先生)》と声を掛けてみて下さい。先生が目を丸くして、10倍位優しいウチナー口が返って来る事必定です。
今度皆で軽便鉄道節を歌いましょう。 |
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